クレジットカードの国内旅行保険とは?補償額や補償内容を解説!
クレジットカードには、国内旅行保険が付帯したカードがあります。旅行はもちろん、出張時の備えとしても活用することができます。国内旅行保険の内容や補償額、メリットやデメリットについて解説していきます。
Contents
クレジットカードの国内旅行保険とは?
クレジットカードの中には、旅行保険が付帯しているものがあります。クレジットカードに付帯している旅行保険は次の2種類です。
- 海外旅行保険
- 国内旅行保険
このうち、片方、または両方の旅行保険が付帯しているパターンがありますが、国内旅行保険のみ付帯しているクレジットカードはほとんどありません。
旅行保険が付帯したクレジットカードは、たいてい次のどちらかのパターンです。
- 海外旅行保険のみ付帯しているクレジットカード
- 海外旅行保険と国内旅行保険が付帯しているクレジットカード
海外旅行保険のみが付帯しているクレジットカードは比較的多くあります。しかし、海外旅行保険と国内旅行保険が両方付帯しているクレジットカードは、年会費がやや高めのカードや、ゴールドカードといったランクの高いカードの場合がほとんどです。
国内旅行をする際に、その都度国内旅行保険に加入するという人はあまりいないかもしれません。しかし、国内旅行保険に加入しておくことで、万が一の備えになるのはたしかです。
クレジットカードの国内旅行保険の補償内容・補償額は?
クレジットカードに付帯している国内旅行保険が補償してくれるのは、ケガによる死亡や後遺障害がメインになります。他には、入院保険金、手術保険金、通院保険金の補償がついている場合もあります。
保険会社で契約する国内旅行保険についているような、個人賠償責任や携行品損害補償といった特約項目に関しては、クレジットカードの国内旅行保険についていないことが多いです。さらに、海外旅行保険に付帯しているような救援者費用や航空機遅延費用といった補償も、クレジットカードに付帯していることはほとんどありません。
補償内容や補償額は、カードの種類やランクによって大きな差がでるところでもあります。まずは、一般的なカードの補償項目と補償額についてみていきましょう。
傷害死亡・後遺障害
旅行中にケガをしたことで死亡したり、後遺傷害がのこった場合に補償を受けられます。補償金額は、1,000万円~3,000万円程度。2,000万円としているクレジットカードも多いです。
入院費用
旅行中にケガをして入院が必要になった場合、日額あたり3,000円~5,000円が補償されます。
入院中には治療費以外にも、食事代金や、レンタル衣料代、個室を選べば差額ベット代金と、何かとお金がかかるものです。日額あたり数千円でも補償があると安心です。
通院費用
旅行中のケガで通院が必要になった場合に補償を受けることができます。補償金額は、日額2,000円~3,000円程度のことが多いです。
入院や手術が必要になるほどのケガをすることはあまりなくても、通院が必要になるケガをすることはそう珍しくありません。あれば安心の補償項目といえます。
手術費用
手術費用の補償額は他の補償項目とは異なり、手術の内容によって補償額が変わるという内容になっている場合が多いです。
だいたい、3,000~5,000円に、手術内容によって5~40倍を乗じた金額が補償金額となります。
クレジットカードの国内旅行保険の使い方
国内旅行中や出張中にケガをしてしまった、という場合にはどのような流れで国内旅行保険を使えばよいのでしょうか。国内旅行保険を利用する手順や、利用する際の注意点について解説します。
適用となる場面
まずは、国内旅行保険が適用される場面でのケガかどうかを確認する必要があります。
わからなければクレジットカードを発行している会社に聞いてみてもよいのですが、国内旅行保険が適用となるには、原則として次の3つの条件のいずれかに当てはまっている必要があります。
- 公共交通乗用具の乗客として搭乗中の事故によるケガ
- 宿泊施設(ホテル、旅館など)に宿泊中の火災・爆発事故等によるケガ
- 宿泊を伴う募集型企画旅行参加中の事故によるケガ
こんな場面は適用外なので注意
国内旅行保険がクレジットカードに付帯しており、上記の1~3の条件をどれも満たしていなければ補償の適用外となります。
適用条件を確認しつつ、どんな場面だと国内旅行保険の適用外になるのか、具体的なパターンを紹介します。
公共交通乗用具とは、航空機、鉄道、船舶、バス、タクシーといった乗り物をさします。つまり、航空機、鉄道、船舶、バス、タクシーといった公共の乗り物以外でのケガは補償対象になりません。
たとえば、旅行中にマイカーを利用していたときのケガは補償の対象にはなりません。
また、宿泊施設に宿泊中のケガは、火災や爆発事故といったものに起因する稀なパターンのみ補償が適用になります。
宿泊施設内の階段で転んでケガをしても、補償の対象にはなりません。
宿泊を伴う募集型企画旅行とは、宿泊をともなうパッケージプランのこと。パッケージプランを利用せず、出張中に宿泊施設や公共の乗り物以外でケガをした場合、1~3のどれにも当てはまらないので国内旅行保険を利用することはできません。
また、次で解説しますが、クレジットカードの国内旅行保険が利用付帯となっている場合には、条件を満たしていないと通常であれば保険が適用される場面でも保険の適用外となることがあります。
自動付帯と利用付帯
国内旅行保険が適用される条件として、もう一つ気に留めておかなくてはならないことがあります。
クレジットカードの付帯保険の「自動付帯」と「利用付帯」です。
自動付帯と利用付帯の違いは次のとおりです。
自動付帯 |
・カードを持っているだけで保険が適用される ・補償額は利用付帯よりも低い傾向がある |
利用付帯 |
・利用したい保険のついたクレジットカードでツアー代金や公共交通機関の料金を決済することで保険が適用される ・補償額は自動付帯よりも高い傾向がある |
国内旅行保険は、利用付帯となっていることが多いです。また、補償額が「最高2,000万円」と記載されていることもあり、内訳が「自動付帯分1,000万円+利用付帯分1,000万円」となっていることも。
利用付帯の国内旅行保険がついているクレジットカードをただ持っているだけでは、補償が適用されなかったり、最高額の補償にならなかったりするおそれがあります。
クレジットカードに付帯している国内旅行保険が、自動付帯なのか、利用付帯なのか、必ず確認しましょう。
利用付帯で保険が適用される範囲
利用付帯の場合、保険が適用になるのは、クレジットカードで決済した交通乗用具に乗車中の事故や、クレジットカードで決済したツアー参加中の事故です。
例えば、自宅から駅まではタクシー、駅からは新幹線での旅行。新幹線の代金のみをクレジットカードカードで決済している場合、自宅から駅までのタクシーでの移動中に起きた事故によるケガは補償対象になりません。クレジットカードで代金を支払っている新幹線での移動中が保険の対象となります。自宅から駅までのタクシーでの移動にも補償が欲しい場合は、タクシーの代金をクレジットカードで払う必要があります。
もうひとつ、ツアーの申し込みをカード決済した場合の補償はどこからどこまでになるのでしょうか?ツアー集合場所からツアー解散場所までは補償されますが、自宅から集合場所、解散場所から自宅までの間、たとえ公共交通乗用具を利用していたとしても、その代金をクレジットカードで支払っていなければ、補償の対象になりません。
国内旅行保険金の申請方法
国内旅行保険の申請方法は一般的に次のような流れになります。
- クレジットカード会社が案内している窓口へ報告
- 医療機関受診時の支払いはいったん自分でおこなう
- 後日送付される申請書類に必要事項を記載して提出する
医療機関での支払い時にもらう領収書は、保険金請求時に必要になることもあります。必ず保管しておきましょう。他にも、事故証明書や申請する補償に応じて診断書などの書類が必要になることもあります。クレジットカード会社が案内している窓口へ報告する際に、保険金請求に必要な書類を確認しておくと、手続きがスムーズにおこなえます。
ステータスカードは国内旅行保険の補償が手厚い
ここまでは、一般的なクレジットカードの国内旅行保険について解説してきました。クレジットカードには、ゴールドカードやハイランクのステータス性が高いカードが存在します。ステータスカードは、年会費も高額ではありますが、それ以上に魅力的な特典が数多くついてきます。国内旅行保険の補償も、一般的なクレジットカードに比べて手厚いものとなっています。
どのような点で補償が手厚くなるのか、ステータスカードのひとつであるラグジュアリーカードを例に挙げながら解説していきます。
補償額が高額
ステータスカードの補償額は高額になっていることがほとんどです。
下の表はラグジュアリーカードに付帯している国内旅行保険の一部項目と補償額です。
死亡・後遺障害 |
最高1億円 |
入院費用 |
5,000円 |
通院費用 |
3,000円 |
死亡・後遺障害に対する補償が最高1億円と、一般的なクレジットカードの国内旅行保険と比べて格段に高くなっています。
入院費用や通院費用の補償額も高めです。
補償内容が豊富
ステータスカードでは、補償項目が一般のクレジットカードよりも多く、幅広いトラブルを補償してくれます。
ラグジュアリーカードの国内旅行保険には、航空機遅延費用に対する補償もついています。
航空機遅延費用補償は、ハイステータスカードの海外旅行保険であっても、ついているカードとついていないカードがあります。
航空機遅延費用の補償までついてれば、クレジットカードの国内旅行保険では最も補償が手厚い部類に入るといえます。
下記が航空機遅延費用の補償内容と補償額です。
乗継遅延費用 |
1回到着便の遅延について最高2万円 (食事代や宿泊代として) |
出航遅延、欠航、搭乗不能費用 |
1回の就航遅延、欠航、運休や登場不能で最高2万円 (食事代) |
受託手荷物遅延費用 |
1回の手荷物の遅延につき最高2万円 (衣類や生活必需品代として) |
受託手荷物紛失費用 |
1回の手荷物の紛失につき最高4万円 (衣類や生活必需品代として) |
旅行や出張で飛行機を利用する機会がある人にとっては、ついていると安心できる補償内容となっています。
クレジットカード付帯の国内旅行保険のメリット・デメリット
クレジットカードに付帯している国内旅行保険のメリットとデメリットを解説します
デメリットもありますが、メリットのほうが上回るといってよいはずです。
メリット
- 万が一のときに安心
- 旅行や出張のたびに加入する手間が省ける
- 加入忘れがない
- いちいち保険料を払う必要がない
ケガや事故がないのが一番ですが、万が一のときに補償があるという安心感が得られるのは大きなメリットだといえます。
旅行や出張の度に、お金を払って国内旅行保険に加入するということもできますが、仕事で忙しいときに手続きをするのは面倒なものです。加入し忘れたまま旅行や出張に出かけなくてはいけないとなると、不安もあるでしょう。
クレジットカードに国内旅行保険がついていれば、その都度加入の手続きをする必要はありません。利用付帯であっても、旅行や出張で使う公共交通機関の運賃をクレジットカードで支払うだけ。加入し忘れるリスクを減らすことができます。
また、クレジットカードの年会費に保険料が含まれているので、旅行や出張の度に保険料を支払う必要はありません。旅行や出張の機会が多い人ほど、お得に利用することができます。
デメリット
- 保険が適用とならない場合がある
- 国内旅行保険が手厚いと年会費も高くなりがち
国内旅行保険が適用になるための条件はやや複雑です。単に旅行先でケガをしたというだけでは適用にならない可能性もあります。適用になる条件を把握しておきましょう。
また、国内旅行保険がついているクレジットカードは、年会費がやや高い傾向があります。さらに、国内旅行保険の補償内容が手厚くなっていると、そのぶん年会費も高額かもしれません。ただし、年会費が高いカードは、その他の特典も豪華になっています。国内旅行保険だけでなく、特典を調べてみるとお得だと感じられるかもしれません。
出張や旅行が多い人には国内旅行保険つきクレジットカードがおすすめ
クレジットカードの国内旅行保険をチェックするときは、補償内容や補償額はもちろんですが、自動付帯なのか利用付帯なのかを含め適用条件を確認することも大切です。
利用付帯となっていることが多い国内旅行保険ですが、1枚持っておくことで旅行や出張中のケガに対して心強い備えができることでしょう。