法人カードはキャッシュバック型がお得?デメリットはある?

法人カードにはビジネスに使える各種優待やマイル・ポイントが貯まるなど、さまざまな特典が用意されていますが、キャッシュバック型と呼ばれるキャッシュバックに特化したカードもあります。キャッシュバック型の法人カードとはどのような特徴を持ち、従来の法人カードとはどのように違うのでしょうか?今回はキャッシュバック型法人カードの概要からメリット・デメリット、従来の法人カードと比べてどちらがお得なのかを解説していきます。

キャッシュバック型の法人カードとは?

法人カードを含む通常のクレジットカードは、利用した金額に応じてポイントやマイルが還元されます。これに対して利用金額に応じ、その一部が現金として戻ってくる法人カードが「キャッシュバック型法人カード」と言われています。ただしキャッシュバックと言っても本当の現金が利用者の口座に返金されるわけではなく、多くのキャッシュバック型法人カードでは、翌月の利用金額に対し還元額を相殺する形でキャッシュバックが行われます。

また数ある法人カードの中でもキャッシュバック型法人カードを発行しているカード会社は限られており、すべてのカード会社がこのような機能を持つ法人カードを発行しているわけではありません。通常のカードでもたまに「キャッシュバック・キャンペーン」が行われることがあり、上記のように利用金額に応じたキャッシュバックが実施されますが、ここではあくまで「キャッシュバック型」の法人カードについて取り上げていきます。

キャッシュバック型のメリットとは?

キャッシュバック型の法人カードには、以下のような特徴・メリットがあります。ここではキャッシュバック型法人カードが持つメリットについて解説していきます。

  • ポイントやマイルのように有効期限がない
  • 特定の利用に対して還元率が高い

ポイントやマイルのように有効期限がない

通常のクレジットカードで貯まるマイルやポイントは、有効期限が設定されていることがほとんどです。たとえば利用金額に応じて各航空会社のマイルプログラムに交換できるマイルは、3年前後で失効してしまうことが多く、ポイントも同様の期間を過ぎると自然消滅してしまうことが多いようです。中にはポイントの有効期限を無期限としているカードもありますが、マイルの場合は航空会社の事情もあって獲得から3年程度で失効することがほとんどです。※マイルの有効期限を無期限としている航空会社もあります

加えてマイルの場合は有効期限内に飛行機を使う旅行や出張を計画せねばならず、仕事の関係で飛行機が使えないという場合、また旅行や出張に行ける日程であっても満席で航空券の予約ができない場合があります。貯めたマイルを有効期限までに使い切るのは、しっかりとした計画を立てないとなかなか難しいことでもあるのです。ポイントの使用を忘れてしまう理由の一つとして、適当な使い道がないということが考えられます。高還元率のカードを利用し、貯まったポイントやマイルを失効してしまうのはとてももったいないことと言えます。

キャッシュバックの場合は、カードを使い続けてさえいれば次々と翌月の利用料金と相殺されるので(またはタイミングを見て相殺できるので)、特典(キャッシュバック)を使い忘れると言うことがありません。これは実質的には特典の有効期限がないと言っても差し支えないでしょう。

特定の利用に対する還元率が高い

キャッシュバック型法人カードは、特定の店舗やサービスを利用した場合にキャッシュバックの還元率を高くしている場合があります。これは対象となる特定の店舗やサービスを展開する企業とのマーケティングの一環で、特定店舗やサービスの顧客を増やしたいという戦略があるからです。このような店舗やサービスをビジネスで効果的に使うことにより、効率的なキャッシュバックを受けることができます。

キャッシュバック型のデメリットは?

上記のようなメリットのあるキャッシュバック型法人カードですが、以下のようなデメリットもあります。

  • キャッシュバックの対象となるのは一部の利用分のみ
  • キャッシュバックとなる利用料に制限がある
  • 経理処理が煩雑になる恐れがある
  • トータルで考えると還元率は良くない場合がある

これらのデメリットについて、詳しく説明していきましょう。

キャッシュバックの対象となるのは一部の利用分

キャッシュバック型法人カードのキャッシュバック特典は、前章で説明した特定の店舗やサービスの利用など、一部の利用分を対象とすることがほとんどです。たとえば特定のサービスであれば、交通費・出張旅費の利用分がなどそれに相当します。交通費・出張旅費には新幹線や飛行機などの交通費はもちろん、レンタカー代やガソリン代、タクシーの利用料金、ホテルなどの宿泊費が含まれます。つまりキャッシュバック型の法人カードであっても、すべての利用分がキャッシュバック特典の対象となるわけではなく、顧客との会食代や事務用品の購入などは対象外となってしまうことが多いのです。通常のクレジットカード(ポイント・マイル型)なら、全ての利用分が対象となりポイントやマイルが付与されるので、はじめは戸惑ってしまうかもしれません。キャッシュバック型法人カードで効率よくキャッシュバック特典を受けるためには、カードの利用用途についてちょっとしたコツがいります。

経理処理が煩雑になる恐れがある

法人カードは事業活動に使うことを目的としているため、キャッシュバックされた分は基本的に収入として処理する必要がありますが、キャッシュバック型法人カードは常時キャッシュバックを行うため、カード会社からキャッシュバックを受けた際の仕訳は「値引きがあったもの」として仕訳を行うのが一般的です。

たとえば還元率1%のキャッシュバック型法人カードで1万円のタクシー代を使った場合、キャッシュバックの額は100円となります。キャッシュバックを「値引き」とし、経費を9,900円として計上しなければなりません。このようにキャッシュバックを受けた場合に、経理処理が煩雑になる可能性があるのです。

なお、キャッシュバック型ではない、ポイント・マイル型のクレジットカードでもキャッシュバックが行われることがあります。この場合は次回のご請求金額からキャッシュバック分をマイナスする場合と、ご請求がなければ銀行口座に振り込まれるケースがあります。この場合はケースにあわせて「値引き」か「雑収入」が相当しますが、いくつかの考え方があるため、必ずしも「こちら」との回答はできません。ご自身の会社の担当税理士に確認することをおすすめします。

トータルで考えると還元率は良くない場合がある

キャッシュバック型法人カードは上記のように用途が限られていたり、還元率が利用額によって変化したり、キャッシュバックの額に上限が設けられている場合があります。このような制限が複数重なった場合には、結果として還元率が悪くなったり、カードそのものが使いにくくなったりすることが考えられます。キャッシュバック型法人カードを契約する際には、事前に自社で法人カードを使う用途や、月々の利用額について確認することが大切です。

また、キャッシュバック型法人カードのキャッシュバック要件が複雑だったり、上限が低い場合には、通常のポイント・マイル型のカードを選ぶ方が結果として使い勝手が良く、得になるかもしれません。

還元率を求めるならならポイント・マイル型

「キャッシュが返ってくる」と聞くと事業にとって得のような気がします。しかし、キャッシュバック型法人カードでその特典を受けるには、さまざまな条件をクリアする必要があります。キャッシュバックの対象となる使い道が制限されたり、キャッシュバック額に上限があれば、カードは使いづらいですし、特典も受けにくくなるでしょう。このように考えると事業用途であれば、幅広い使い道にポイントが発生し、高いポイント還元率を備える通常のポイント・マイル型のカードを選んだ方が、効率的かもしれません。

たとえば高い還元率とビジネスに使えるさまざまな特典を重視するなら、ラグジュアリーカードがおすすめです。ラグジュアリーカードの法人決済用カードには「Mastercard® Gold Titanium™(チタンカード)」と「Mastercard® Black Card™(ブラックカード)」、「Mastercard® Gold Card™(ゴールドカード)」があります。ポイントの還元率はそれぞれのカードで異なり、チタンカードは基本1.0%、ブラックカードは基本1.25%、ゴールドカードは基本1.5%となっています。

事業に関わる旅費交通費や出張費、交際費、備品の購入費などに使うことができるほか、法人税や消費税などの納税にも使うことができます。たとえば還元率1.5%で月に50万円利用した場合、年間9万円を月々の支払いに充当可能となります。事業に関わるさまざまな経費は決済金額が大きくなるため、法人カードで決済するのであれば、その還元率の高さがとても重要なのです。

またラグジュアリーカードには、ビジネスに特化した付帯サービスが数多く用意されています。たとえば、出張先のホテルの手配や会食の予約、ゴルフ場の提案・予約などを24時間365日サポートしてくれる「コンシェルジュサービス」、コース料理のアップグレードやリムジンの手配など、大切なお客様を接待する場面で活用できる「ラグジュアリーダイニング」などがそれにあたります。

まとめ

ポイント・マイル型の法人カードは、ほぼすべての用途にポイントが発生し還元を受けることができます。事業に関わる経費を幅広く決済し、また上限などなくポイントを効率的に貯めるならばポイント・マイル型の法人カードがおすすめです。

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