法人クレジットカードのポイントは何に使える?利用方法を徹底解説

クレジットカードのポイントがたまると、「何に使おう」と気持ちが弾むものです。しかし法人用クレジットカードと、個人用クレジットカードではポイントの使い方に少し違いがあることをご存知でしょうか。賢くポイントを使うためにも、利用方法を確認しておくことが肝心です。この記事では、法人クレジットカードのポイントの利用方法について解説します。

法人カード利用でたまるポイントの活用方法

そもそも法人カードとはどのようなものなのか、たまったポイントは具体的にどう活用できるのか、あらかじめ確認しておくことが大切です。

法人カードとは、企業などの、いわゆる「法人向けに発行されるクレジットカード」を指します。これらは一般的に「法人カード」または「ビジネスカード」と呼ばれ、法人にとって役立つサービスが多く提供されています。なお、法人カードは個人事業主でも発行することが可能です。

法人カードを発行すると経理業務の効率化を図れるだけではなく、「ポイントをためられる」という大きなメリットがあります。たまったポイントは有効活用することで、経費削減につなげられるなど、企業にとって大きな恩恵をもたらしてくれるのです。

それでは、どのようなポイントの活用方法をいくつかご紹介しましょう。

おすすめのカード活用方法

文房具、コピー用紙などのオフィス用品の購入にポイントを利用

たまったポイントの使い道は多岐にわたります。なかでも、ポイントの有効な活用方法には以下のようなものがあります。まずは「オフィス用品の購入」です。法人カードによっては、ためたポイントを使ってペン・クリップなどの文房具と交換できるサービスが提供されています。法人カードの付帯サービス内容によって商品はそれぞれ異なり、場合によってコピー用紙やインク、トナーなどと交換できる場合もあり便利です。こうしたオフィス用品は一つだけだと少額であるものの、まとまった数を頼むと、それなりの金額になります。オフィス用品にかかる経費が、企業の経営を圧迫していることも少なくないのです。こうした費用がかさみがちなオフィス用品を、ポイントで交換できることは企業にとって大きなメリットといえます。ポイントを使って会社の備品を補充することで、経費削減につなげられるでしょう。

宿泊費、航空券などの出張費用やマイルにポイントを利用

また、企業として活動するうえで、大きな出費となるのが「出張費用」です。企業によっては国内外問わず、飛行機などを利用して頻繁に出張に出かけることもあるでしょう。法人カードのなかにはたまったポイントを「マイル」に交換できるものがあり、こうした出張にかかる費用の節約につなげられます。法人カードによってはポイントを「ホテルの宿泊費」「航空券の購入費」「レンタカーの利用費」などに充当することもできます。ビジネスで出張する機会が多い場合、宿泊費や交通費などの経費を抑えられ、大きな恩恵を受けられるのです。

ギフトカード・金券にポイントを利用

それ以外にも、王道の使い道として「ギフトカード」「金券」などに交換する方法もあります。法人カードのサービス内容によっては、「ポイントと交換したいものがない」というケースもあるでしょう。このようなときにも、ギフトカードや金券に交換すれば使えるお店の選択肢が増えて、使い道がぐんと広がります。交換したギフトカードや金券は会社のために使うことはもちろん、社内イベントの景品として活用することも可能です。社内イベントの景品購入費を効果的に節約できます。

ポイントをキャッシュバックし、現金に

ギフトカードや金券に交換する手間を省きたいという場合は、「キャッシュバック」を選択するのも一案です。法人カードのなかには、ポイントをキャッシュバックで受け取り、現金に換えられるものがあるのです。キャッシュバックの内容としては、1ポイントあたり数円程度の現金に換えられるケースが多くみられます。ただし、内容はそれぞれの法人カードによって異なるため、あらかじめ確認しておくことが肝心です。さらに、キャッシュバックを受けるには、決められた項目をクリアするなど、条件が設けられている場合があります。ポイントをキャッシュバックしたい場合は、法人カードを契約する際に、よく内容を確認することがおすすめです。

福利厚生として会社のイベント費用、プレゼント景品に変えて社員に還元

たまったポイントは社内の備品などに活用するほかにも、「社員への還元」に使うケースもあります。具体的には、社員との「食事」や「イベント」などの費用にあてることが多い傾向です。企業では新年会や忘年会、また歓送迎会など、年間を通してさまざまなイベントが催されます。このようなときに、あらかじめ食べ物や景品などをポイントで交換しておき、それを社員に提供することも可能です。福利厚生の一環としてポイントを従業員に還元することで、社内の団結力を高めたり、モチベーション維持に役立てたりできます。

せっかくためたポイントは、「極力損をせずに使いたい」と思う人も多いものです。ポイントを無駄なく使うためには、「現金価格との比較」や「ポイントの期限」に意識を向けることが重要になります。まず、ポイントを商品交換に使うときは、実際の販売価格との比較を行うことが大切です。商品のなかには、実際の販売価格が安いものもあります。このような場合、多くのポイントを使って交換するよりも、現金で購入したほうがお得なことがあるのです。交換に必要なポイント数と一般的な販売価格を照らし合わせたうえで、よりお得に交換できる商品を探すと良いでしょう。

それに加えて、ポイントは「有効期限がある」ことに注意する必要があります。せっかく法人カードでためたポイントも、有効期限が切れると無駄になってしまいます。気付いたら「ポイントが失効していた」というミスを招かないためにも、たまったポイントはきちんと期限を確認し、こまめに使うことがおすすめです。

法人クレジットカードのポイントの会計処理は?

法人カードのポイントを使用しようと考えたときに、気になることも多いのが税金や会計などの「税務上の処理方法」です。税務処理は適切に行わないと、あとでさまざまなトラブルに発展するおそれがあります。そのため、ポイントを使ったときにはどのように会計処理を行えばいいのか、きちんと把握しておくことが肝心です。法人カードのポイントの会計処理について、やり方をしっかりとチェックしていきましょう。

仕訳を行うタイミング

法人カードの会計処理として、まず押さえておきたいのが「仕訳を行うタイミング」です。法人カードにポイントが付与されたときやポイントを使うときなど、どのタイミングで仕訳をすればいいのか、悩んでしまう人も多くみられます。結論からいうと、ポイントは「使用したとき」に会計処理を行うことが基本です。法人カードを使用してポイントが付与されたタイミングでは、原則として会計処理を行う必要はありません。

なぜなら、ポイントには一定の有効期限が設けられているケースが多いためです。付与されたポイントは使用せず放置すると、一定期間を経て、そのまま失効してしまいます。このとき、ポイントが付与されたタイミングで仕訳をしていると、失効したときに再びそのぶんの仕訳を行う必要が生じ、二度手間になってしまうのです。利用しない可能性があるポイントに対して仕訳を行うことは、効率的とはいえません。失効する可能性も考慮し、ポイントが付与された段階では、会計処理を行わなくても問題ないのです。

法人クレジットカードのポイントを使用した時

このようなことを踏まえて、会計処理は「ポイントを使用した」タイミングで行います。なお、ポイントを使用した場合の仕訳方法は、大きく2つに分けられます。まず、1つ目は「ポイント分の値引きを受けたもの」として会計処理を行う方法です。商品などを購入する際、安く仕入れられたぶんを「値引き」してもらったという考えで処理を行います。たとえば、1万円のオフィス用品を購入する際、3000円分のポイントを使うとします。この場合、3000円の値引きをしてもらうことになり、実際には「残りの7000円を支払ってオフィス用品の購入を行う」というように処理するのです。これを踏まえると、仕訳は「消耗品費が7000円」「クレジットカードが7000円」となります。なお、1万円分のポイントを使って全額支払いを行った場合は、「0円の商品を購入した」という処理になります。この考え方で会計処理を行う場合は、仕訳をする必要はありません。

法人クレジットカードのポイント分の収入を得た時

2つ目の考え方は「ポイント分の収入を得た」ものとして、会計処理を行う方法です。付与されたポイントは「会社が得た収入」という考え方で、使用したポイントに関しては「雑収入」として会計処理を行います。付与されたポイントはいわば可視化されていない収入であり、簡単にまとめると「儲けが出た」という捉え方です。1つ目の例と同様に、1万円のオフィス用品を購入する際、3000円分のポイントを使用するとします。この場合、残りの7000円分を未払い金として計上し、差額のポイント3000円分を雑収入として仕訳することになります。具体的には、「消耗品費が7000円」「クレジットカードが7000円」「雑収入が3000円」という具合です。もしも、ポイントで全額支払いを済ませた場合は、その金額をそのまま雑収入として処理します。この例だと、「雑収入が1万円」という仕訳になります。

なお、現状として法人カードなどのポイントは、税法上の法律がきちんと制定されていません。定められた勘定科目はないものの、「収入」のうちの一つである「雑収入」として計上するケースが一般的になっています。法律で定められていない以上、雑収入として会計処理を行わなくても、原則として罰則や勧告などを受けるリスクはないという見方もあります。しかし、ポイントを会計処理せず、無申告にすることは避けたほうが無難です。なぜなら、法律が制定されたときに、何らかの罰則を受ける可能性があるためです。将来的にペナルティを負わないように、しっかりと会計処理を行うことが重要です。

法人カードのポイントを利用し慣れていないと、会計処理をどうすればいいのか、判断に悩むこともあるかもしれません。このような場合は、会計のプロである税理士に相談すると安心です。プロの目でしっかりと確認してもらい、アドバイスを受けることで、安心して会計処理を行えます。

法人カードのポイントは使い道が豊富!お得に活用しよう

法人カードでたまったポイントは、さまざまな用途に使うことができます。オフィス用品や航空券の購入、さらに福利厚生に活用するなど、費用の削減に大いに役立てられます。また、ためたポイントを使う際は、きちんと会計処理を行うことや個人利用を避けることが重要です。間違ってポイントを個人利用すると、業務上横領罪に問われる可能性もあるため気を付ける必要があります。お得にポイントを活用し、企業運用に役立てましょう。