法人カードを複数枚持つメリットとは?複数枚発行する際の注意点について解説
法人カードは、事業を運営するうえで欠かせないツールの一つです。ビジネスに役立つ特典や、万が一の場合の補償が充実しており、利用金額に応じてポイントも貯まります。法人カードで経費を決済すると、経理業務を効率化できるほか、人的ミスの防止やキャッシュフローの改善・安定化につながる点がメリットです。
しかし、1枚持っているだけでは、不満や悩みが出てくることも。そんなときは2枚以上を使い分けると便利です。ここでは、法人カードを複数枚持つメリットや注意点をご紹介します。また、法人カードを2枚以上保有する際のポイントについて、1つの法人が複数カードを持つ場合、複数の会社を経営する法人が複数カードを持つ場合の2つのケースに分けて解説しますので参考にしてください。
Contents
法人カードを複数枚発行するメリットとは?
法人カードを複数枚発行するメリットとして、主に以下が挙げられます。
- 合算での限度額を増やせる
- 用途別にカードを使い分けられる
- 付帯サービスをさらに充実させられる
- 利用シーンを増やせる
- 不正決済などで止まってしまった時の予備になる
それぞれ詳しく見ていきましょう
合算での限度額の増額
法人カードはさまざまな経費の支払いに利用するため、個人カードに比べて利用額が大きくなりがちです。いざという時に備えて、限度額は高めに設定されているほうが使いやすいでしょう。とはいえ、増額の申請はできますが、別途審査が必要になるのでその実現には時間を要します。
すぐに限度額を増枠したい場合は、メインカード以外にもカードを作っておくことをおすすめします。法人カードを2枚以上持っておくと、実質的に限度額を増額することが可能です。例えば、1枚目のカードの限度額が200万円、2枚目のカードの限度額が100万円だった場合、合計300万円まで利用できます。仮にメインのカードが限度額を超えてしまっても、2枚目以降のカードで補えばいいので、高額決済が重なったときも安心です。
用途別にカードを使い分けられる
法人カードで経費の支払いをすると、カードの支払い明細書に「いつ」「どこで」「いくら使ったのか」が明記されるため、経費の管理が楽になります。しかし、すべての支払いを1枚のカードに集約した場合、会計処理の際に勘定科目を振り分ける必要があるので、面倒に感じる方もいるかもしれません。
法人カードを複数枚発行しておけば、用途ごとにカードを使い分けることが可能です。「Aカードは交通費」「Bカードは接待交際費」「Cカードは仕入れ」といった使い方ができるので、一つひとつの項目を振り分けずに済みます。工夫次第では、さらに経費業務の手間を省くことができるでしょう。
付帯サービスをさらに充実させられる
法人カードによって、付帯サービスや特典の内容が異なります。複数枚のカードを保有しておけば、それぞれのサービスや特典を利用できるため、より充実したサポートを受けられるでしょう。ポイント還元率もカードによって異なります。カードごとに特約店と呼ばれる還元率アップを狙える店舗があり、利用シーンによって複数のカードを賢く使い分けることで、効率よくお得にポイントを貯めることが可能です。
また、カードに付帯する保険の補償内容も、カードの種類やランクごとにさまざまです。2枚目、3枚目の法人カードを作っておくと、補償をより手厚くできます。例えば海外出張が多い企業の場合、医療費が高額になりやすいため、十分な補償が必要です。海外旅行傷害保険が付帯した法人カードを複数枚持っておけば、1枚のカードだけでは足りない部分をカバーできるので、不測の事態に見舞われても安心です。
利用シーンを増やせる
法人カードを発行する際に、Mastercard(マスターカード)やVISA(ビザ)といった、国際ブランドに注目する方も多いのではないでしょうか。クレジットカードは、国際ブランドごとに利用できるエリアや店舗が異なります。異なる国際ブランドのカードを2枚以上持っておくと、1枚のカードが使えない店舗があったとしても、もう1枚でカバーすることが可能です。その分、カードの利用シーンがぐっと広がるでしょう。
不正決済などで止まってしまった時の予備になる
運悪く法人カードを落としてしまった場合や、情報流出によって不正利用された場合、ただちにカードの利用停止手続きを行う必要があります。一時的にカードは使えなくなるため、法人カードを1枚しか持っていないと「大事な決済ができなくて困った……」という状況に陥って、キャッシュフローを悪化させる一因になりかねません。カードを2枚以上持っていれば、こうしたトラブルにも対応できるので安心です。1枚のカードが止まっても、別のカードを予備として利用できます。
1法人が複数の法人カードを持つ場合は?
1法人が複数の法人カードを持つ場合、異なる特徴のカードを選ぶのがおすすめです。2枚目以降のカードに、1枚目とは異なる国際ブランドで、1枚目には足りない付帯サービスや特典を補填できるものを選んでおけば、それぞれのカードの強みを最大限に発揮できる使い方ができるでしょう。
法人カードには、「一般・ゴールド・プラチナ」といったランクが存在します。ランクが上がるほどポイント還元率が高くなり、特典や優待サービス内容も充実するのが一般的です。1枚目のカードで良いクレジットヒストリーを積み上げ、2枚目以降でワンランク上のカードを選んでみるのもいいでしょう。
複数の会社を経営する事業家の場合は?
1人で複数の会社を経営すると、会社の数だけ管理コストがかかり、経理作業も煩雑になります。そこで役立つのが法人カードです。同じブランドのカードを会社ごとに作っておけば、経費管理にかかる手間を大きく省け、経費削減やキャッシュフローの改善が期待できます。
はたして1人の事業家が同じブランドのカードを複数発行できるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。確かにカード会社によっては難しいケースもありますが、ラグジュアリーカードなら法人ごとに同じカードを発行できます。ただし、それぞれ別の申し込み・審査が必要になるので注意しましょう。
ラグジュアリーカードは、24時間365日対応のコンシェルジュサービスや、世界中の空港ラウンジが利用できるプライオリティパス、特別感を演出するダイニングサービスなど、ビジネスに役立つ特典・サービスが充実しています。また、法人代表者にとって、カードの限度額は重要な問題ですが、事前入金サービスを利用すると最大9,990万円までカード決済が可能です。還元率も高く、メインカードとして大活躍してくれるでしょう。
法人カードを複数枚持つ際の注意点
法人カードを複数枚持つことでさまざまなメリットを得られますが、以下のような注意点もあります。
- 発行するカード分の年会費が発生する
- 暗証番号などの管理を徹底しなければならない
- 不正利用に、より一層気を付ける必要がある
- ポイントが分散しないよう、メイン・サブをしっかり意識する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
発行するカード分の年会費が発生する
法人代表者の中には「コストダウンを図りたいので、カードの年会費はできるだけ抑えたい」と考える方もいるかもしれません。複数枚カードを作ると、当然ながら発行したカードの数だけ年会費が発生します。しかし、法人カードの年会費はすべて経費として計上できるので2枚以上保有したとしてもそれほど負担にならないでしょう。1枚は年会費無料カード、もう1枚はゴールドカードやプラチナカードなどという組み合わせも良いでしょう。複数のカードを使い分ければ、それぞれのカードのデメリットを補完し合うことができ、ビジネスシーンでも役立つケースが多いため、長い目で見れば複数枚持つことは大きなメリットといえます。
暗証番号などの管理を徹底しなければならない
複数枚の法人カードを保有する際にありがちなのが、暗証番号のトラブルです。どのカードも同じ数字4桁なので、混合してしまうこともあるでしょう。しかし、あいまいな記憶のまま誤った暗証番号を複数回入力すると、ロックされてしまいます。かといって、複数のカードで同じ暗証番号を使い回すのは危険です。万が一カード情報が流出したときに、すべてカードが悪用されてしまう可能性があります。カードごとに暗証番号を設定し、その管理を徹底しましょう。
不正利用に、より一層気を付ける必要がある
カードを複数枚持っていると、そのうちの1枚を紛失しても困らないのがメリットです。その反面、普段あまり利用しないカードの管理がおろそかになることも。外で落としたりしてもすぐには気づかず、不正利用につながるリスクがあります。それぞれのカードの保管場所をきちんと定め、毎月利用明細書を確認して、身に覚えのない請求がないかどうかを確認しましょう。複数のカードを同じ財布にいれると、財布ごと紛失した場合にすべてのカード会社に連絡しなければならないので大変です。メインカードを財布に入れて、サブカードはカードケースに保管しておくなど、管理場所を分けておくことをおすすめします。
ポイントが分散しないよう、メイン・サブをしっかり意識する
カードを複数枚持つと、ショッピングなどで付与されるポイントが分散して、高額のポイントが貯まりにくくなるのがデメリットです。複数のカードを使う場合は、普段使いのメインカードとして高還元率で利便性の高いものを選び、サブカードは特定の店舗で還元率アップや優待サービスを受けられるものを使うなど、メインとサブを賢く使い分けましょう。
まとめ
法人カードを複数枚持つことで、限度額を増額できる、会計処理が楽になる、より充実したビジネスサポートを受けられる、利用シーンが広がるなどのメリットがあります。メインカードには、還元率が高く、使い勝手の良いものを選ぶと良いでしょう。ラグジュアリーカードは、メインカードの候補としておすすめのカードです。常時1.0%〜1.5%の高還元率でポイントを貯められ、付帯特典や保険も充実しています。この機会にラグジュアリーカードの発行を検討してみてはいかがでしょうか。