法人カードの限度額について解説!限度額の決まり方から引き上げるためのコツを紹介

会社のさまざまな経費のスムーズな支払いに役立つ法人カード。個人カードより支払いが多く、利用する額が大きくなりがちですが、もちろん、個人カード同様、限度額が設定されています。毎月、法人カードを利用するためにも、限度額はできるだけ高めに設定したいもの。この記事では、法人カードの限度額はどのように決まるのか、また、限度額を引き上げるにはどのようなコツがあるかなどについて、詳しく解説します。

法人カードの限度額とは?

法人カードの限度額とは、法人がそのクレジットカードを利用できる額のことです。カードを利用してからその支払い日を迎えるまで、限度額の枠を使ったままの状態になるので、限度額の考え方には注意が必要です。

例えば、毎月100万円を利用するから、限度額を100万円に設定してしまうと、困ったことになるでしょう。
法人カードを利用した場合、その利用額が実際に口座から引き落とされるのは1ヵ月~2ヵ月後になります。8月に100万円を利用したとしても、実際の支払いは10月になることがあります。つまり、10月の支払いが完了するまで、8月に利用した100万円は限度額の枠内に使ったまま残っていることになります。すると、8月に利用した100万円の支払いが終わるまで法人カードの利用ができなくなってしまうのです。

そういった事態を避けるためにも、法人カードの限度額は、翌月分の利用のことも踏まえて、できるだけゆとりを持って設定することが大切です。必要な費用の2ヶ月分を目安にしておくとよいでしょう。

特に、法人カードでは経営にかかわる重要な支払いが多くなります。そのため、個人カード以上に限度額を把握し、支払い状況を管理することが重要になってきます。

法人カードの限度額はどうやって決まる?

法人カードの限度額はどのように決められるのか見ていきましょう。主に、限度額に影響するのは、「発行会社」と「カード商品スペック」「与信審査結果」です。

発行会社

法人カードの限度額の設定は発行会社によって異なります。一般的に、発行会社が同じで同ランクの法人カードの限度額は同額で設定されますが、発行会社を変えれば、限度額も変わる可能性は十分にあります。例えば、ある法人カードで100万円が限度額だったとしても、発行会社を変えれば限度額が上がることもあります。Mastercard®、JCB、Visaなどの国際ブランドは、限度額に影響しません。

 カード商品スペック

法人カードの限度額は一般的にカード商品のスペックが影響します。例えば、一般カードよりもゴールドカード、ゴールドカードよりプラチナカードのほうが、限度額が大きい傾向があります。

一方で、ラグジュアリーカードの場合は、Mastercard® Titanium Card™ →Mastercard® Black Card™ →Mastercard® Gold Card™ の順にランクが高くなりますが、カードの種類によって一律の限度額を設定していません。あくまで個人の与信によって限度額が変わります。

与信審査結果

あとは与信審査結果によって限度額(与信枠)がきまります。与信とは、クレジットカードを申し込んだ人に本当に発行してよいかを見極め、クレジットカードの利用額を後から回収できるという信用を与えることをいいます。

一般的に審査の基準は非公開で、クレジットカード会社にもよりますが、代表者のクレジットヒストリーや法人の事業運営年数などが審査されます。最も重視されるのは、代表者のクレジットカードヒストリーでしょう。これまでのクレジットカード契約内容や支払い状況が審査に影響します。法人情報については可能な範囲で調べられます。

法人カードの限度額を引き上げるためのコツとは?

法人カードの場合、経費の多くを支払いたいことが多く、できるだけ限度額を高く設定したいものです。では、限度額を引き上げたいときはどのようにしたらよいでしょうか。一般的な法人カードの限度額を引き上げるコツをご紹介します。

継続して利用すること

できるだけ一つのカードを継続して利用することで、限度額が引き上げられやすくなります。クレジットカード会社はその人の信頼性を見ています。カードの利用がほとんどなければ、信用情報に傷はつきにくいかもしれませんが、カード会社としては、本当にその法人に支払い能力があるのかわかりません。ある程度継続して利用して、きちんと支払っている実績を重ねているほうが信用されます。高額な商品購入時に利用するだけでなく、文房具などの細かい備品も法人カードを利用するとよいでしょう。

どの程度継続すればよいかについては、カード会社によって異なります。

支払い遅延を起こさないこと

法人カードの支払いに遅延が生じるとクレジットヒストリーに傷がついてしまい、信用を損ねてしまいます。限度額を引き上げられる可能性が低くなりますし、逆に引き下げられる可能性もあります。支払いの遅延は絶対に避けるべきです。特に、契約して間もない段階で支払いが遅延してしまうと、信用を落として、限度額増額の審査を通すのは難しくなるでしょう。引き落とし口座には余裕をもって入金しておき、残高不足には十分に注意しましょう。

法人カードを増やしすぎないこと

法人カードを複数持っていると、限度額の引き上げの審査に不利になります。法人カードに限らず、クレジットカードの申し込み状況などの情報は信用情報機関に保管されており、各カード会社で共有されています。各カードの限度額を合算すれば大きな額になりますから、「あえて、このカードの限度額を増やす必要はない」と、判断される可能性があります。また、複数の法人カードを保有していると、法人カード会社から見れば多重債務のリスクも考えられるため、審査にネガティブに働くことがあります。メインで使いたい法人カードは1、2枚に留め、長く利用していないカードは解約するなどして整理しましょう。

限度額引き上げの申し込みを行うこと

継続的に法人カードを利用して、滞りなく支払いを積み重ねていれば、クレジットカード会社から限度額増額が提案される可能性がありますが、自分から限度額引き上げの申込みをすることによって、引き上げてもらえることがあります。

クジレットカード会社にもよりますが、ホームページのお問合せ窓口やコールセンターなどで申請を行うことが一般的です。増額の審査に時間がかかりますので、早めに申し込むとよいでしょう。

ラグジュアリーカードの限度額について

では、実際にラグジュアリーカードの限度額はどのようになっているのでしょうか?限度額を引き上げる方法も含めて解説します。

ラグジュアリーカードの各カードにおける限度額

ラグジュアリーカードには、チタンカード、ブラックカード、ゴールドカードがあります。それぞれの限度額はどうなっているのか、確認してみましょう。

基本的にラグジュアリーカードでは、一律の限度額は定められていません。それぞれの個人の与信調査により限度額は決まります。カードのランクが高いほうが、初期の限度額は高くなる傾向はありますが、状況によりますので、必ずしもゴールドカードのほうがブラックカードよりも限度額が高いとは言い切れません。

ラグジュアリーカードの限度額を引き上げる方法

ラグジュアリーカードに限らず、一般的に重要なのは、継続してカードを利用し、遅延なく支払いをするクレジットカードヒストリーの積み重ねです。

また、各カードの限度額も審査では確認しています。クレジットカードを多く保有すると、その分複数のクレジットカードの限度額の総額が高額になりますから、「ラグジュアリーカードの限度額を引き上げる必要はない」と判断される要因になりかねません。

なお、ラグジュアリーカードでは、ウェブサイトからカード保有者自らが限度額の引き上げの申請を行うことができます。申請の方法は次のような流れになっています。

  1. Luxury Card Onlineにログインし、「各種変更・登録申請」のタブの中の「カード内容変更」をクリックします。
  2. 限度額の増額の審査において、個人信用情報機関へ照会・登録に同意する場合は、「ご利用枠の変更」の中の「ご利用可能枠を変更する」にチェックを入れます。
  3. 変更後の利用可能枠、およびキャッシング利用可能枠をはじめ、必要事項を記入して送信します。
  4. 審査を待ちます。

また、ラグジュアリーカードでは、支払いが多い月の一時的な増額も可能です。
限度額を大きく超える利用がある場合は、事前に購入商品と同等の額を事前入金することで、最大9,990万円までのショッピングができる「事前入金サービス」があります。

法人カードの限度額に関するよくある質問

ここでは、法人カードの限度額について、よくある質問についてお答えします。ぜひ、参考にしてみてください。

Q:法人カードの限度額は高い方が良いのでしょうか?

A:法人は多くの経費を支払う必要があります。高額な備品などを購入すると、すぐに限度額に達してしまうのでは困ります。また、カード利用料金の支払いが完了するまでは限度額の枠を使ったままの状態です。限度額を超える支払いが生じた場合、前月分の支払いが完了するまで(引き落としが完了するまで)、カードの利用ができません。法人カードの限度額はできるだけ余裕をもって設定するようにしましょう。目安として必要な費用の2ヶ月分の限度額であれば安心といえます。限度額を下げることはいつでもできますが、あげるためには審査が必要なので、できるだけ高めに設定しておくことをおすすめします。

Q:追加カードの限度額はどうなるのでしょうか?

A:追加カードといっても、それぞれ単独に利用限度額の設定があるわけではありません。追加カードは本体カードの限度額の範囲内で利用できます。例えば、カード会員本人の限度額が100万円の場合、それぞれの追加カードの限度額も100万円になるのではなく、本人カードと追加カードを合わせて利用できる限度額が100万円になります。

Q:発行会社が同じ2種類の法人カードを持っている場合はどうなるのでしょうか?

A:発行会社が同じ2種類の法人カードの限度額は、2つのカードをまとめた金額になります。 例えば、限度額が50万円と100万円の2種類のカードを保有している場合、100万円が利用できる限度額になります。

まとめ

法人カードの限度額は、すぐに限度額に達して利用できなくならないように、できるだけゆとりを持って設定することが大切です。毎月の利用額を把握して、翌月の利用分も見越しながら、設定額を考えるとよいでしょう。

限度額を上げたいと思ったら、できるだけ1枚のカードを継続して利用し、クレジットカードヒストリーを積み重ねていくことが大切です。

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