法人カードのメリット・デメリットとは?メリット5つとデメリット2つを紹介
法人カードは企業や個人事業主に対して発行されるクレジットカードです。個人向けカードにはない、法人カードならではの特徴があります。法人カードが1枚あるだけで、経費精算の効率化に役立ち、ビジネスに役立つさまざまなサービスを享受できます。ただし、メリットばかりでなく、デメリットもあるため、正しい知識を得て活用することが重要です。この記事では、法人カードを利用するメリット・デメリットをご紹介します。
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法人カードとは
法人カードとは企業や個人事業主向けに発行されるクレジットカードです。会社名義の法人口座を引き落とし先に指定できます。ビジネスシーンでは、プライベートよりも支払いの頻度が高く、利用金額が大きくなりがちなので、利用限度額が高めに設定されているのが一般的です。ビジネスに役立つサービスも充実しているのが特徴です。
法人カードには、大きく分けて「コーポレートカード」と「ビジネスカード」の2種類があります。コーポレートカードとビジネスカードには、明確な基準があるわけではなく、カード会社によって定義は異なりますが、一般的には次のように区分されています。
- コーポレートカード/大企業向け
- ビジネスカード/中小企業や個人事業主向け
コーポレートカードは、従業員数が20名以上など、ある程度規模の大きい企業向けの法人カードです。ビジネスカードよりも限度額が高めに設定されている傾向にあります。発行できる追加カードの枚数が多いので、必要な従業員に配布することが可能です。なお、コーポレートカード発行にあたっての審査は、法人(会社)の信用が審査の対象となります。
一方、ビジネスカードは、中小企業や個人事業主向けの法人カードです。ビジネスカードの場合、経営者個人が審査の対象となり、本人の信用情報をもとに審査が行われます。カードを発行するにあたって、個人の信用がカード会社の基準を満たせば、設立年数が短くても発行することが可能です。
個人カードとの違いは?
一般的な個人カードと、法人カードではどのような違いがあるのでしょうか。クレジットカードとしての機能はほとんど変わりませんが、支払い口座や利用限度額、付帯サービスの内容などが異なります。
法人カードの場合、法人口座を引き落とし口座に設定することが可能です。法人カードと個人カードを使い分ければ、経費の決済なのか私的利用なのか公私をしっかりと分けられます。
原則として、クレジットカードを利用できるのは、契約申し込みをした本人だけです。たとえ家族でも貸し借りが禁じられています。したがって、経費として処理する備品の購入であっても、自分以外の第三者にカードを渡して購入・決済することはできません。
個人カードの追加カードとして、家族カードを発行できます。しかし、あくまでも家庭内の出費を一括化するもので、従業員など他人名義で作ることはできません。それに対して、法人カードは、家族ではない従業員に対しても追加カードの発行が可能です。追加カードも本カードと同じ引き落とし口座に紐づけられているため、経費の支払いを一本化できます。
法人カードのメリット
個人名義のカードでも経費の決済は可能です。あえて法人カードを持つ必要があるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
法人経営者や個人事業主が法人カードを作るメリットには、以下のようなものがあります。
- 年会費を経費として計上可能
- キャッシュフローの改善が可能
- 経費精算の効率化
- ポイントやマイルなどでの還元
- ビジネスに特化した付帯サービス
年会費を経費にすることが可能!
クレジットカードには年会費がかかるものがあります。法人カードのほとんどは年会費が有料ですが、事業に必要な支出として、全額経費計上が可能であり、節税対策にもなります。
一般的に、カードの年会費が高いほど、付帯保険・サービスが充実している傾向にあります。法人カードの場合、多少会費がかかったとしても、自身に合う付帯サービスや優待特典、ステータスを重視してカードを選べるのがメリットです。
一方、会社経費の精算目的で作られていない個人カードの場合、プライベート利用とビジネス利用の判断が難しく、年会費の全額を経費計上できないケースが多々あります。私用で使った金額と経費金額を割り出して、事業用の決済に使っている分だけが経費として計上できます。
キャッシュフローの改善が可能
法人経営者や個人事業主にとって、キャッシュフロー(資金繰り)は重要です。たとえ、売上げがあったとしても、手元に現金がなければ、会社はたちどころに経営が成り立たなくなってしまいます。倒産を回避するためにも、できるだけ後払いにして、現金を手元に長く残しておく必要があるのです。
例えば「毎月末日締め、翌月28日払い」の法人カードで決済するとしましょう。その月の引き落とし額の確定は翌月になり、実際に支払い口座からの引き落とされるのは、翌月28日です。法人カードで決済することで、実際の支払いは1〜2ヶ月先となることから、大幅なキャッシュフローの改善につながります。
ラグジュアリーカードなら最大53日間の支払い時期の先送りが可能です。経費になるものはできるだけ、法人カードで支払うようにすることで、キャッシュフローにゆとりが持てるでしょう。
経費精算の効率化
経費の支払いを法人カードに1本化することで、経費精算の効率化を図れるのは大きなメリットです。カードの明細書を見れば、どんな経費がどれだけ使われたのか一目瞭然なので、経費処理の作業がぐんと楽になります。
カードの利用明細を会計ソフトと連携すると、そのままシステムに反映されるため、精算のための時間と手間を省け、計上漏れや入力ミスといった人的ミスを防ぐことができます。
法人カードは複数人の従業員に対しても追加カードの発行が可能です。出張費や接待費といった経費の支払いをカード決済してもらえば、仮払いや立替えなどの小口現金精算が不要です。従業員の負担が減り、経費の一元管理が可能になるので大変便利です。
経費で使った分だけポイントやマイルが貯まる
2023年11月6日(月)より、ラグジュアリーカードの税金決済時のポイント進呈方法を変更します。
2024年4月6日(土)以降、上記のポイント進呈方法の変更に加え、条件が追加になります。
詳しくはこちらをご覧ください
法人カードは経費の支払いでもポイントが貯まります。カード利用で貯まったポイントは、マイルに移行することも可能です。還元率が高いカードを使用すれば、お得にポイントやマイルを貯められるでしょう。ポイントで事務用品を購入する、マイルを出張交通費として利用するなどして、経費削減につなげられます。
ただし、一般的に法人カードは個人カードに比べると、ポイント還元率が低い傾向にあり、ポイント還元率の平均値は0.5%といわれています。また、ポイントをマイルに移行する際に、移行手数料がかかったり、移行上限が設けられたりするカードもあるので注意が必要です。
その点、ラグジュアリーカードは、1.0~1.5%のポイントが貯まりやすい高還元率カードです。公共料金の支払いや税金の納付でも、ポイント還元率は通常のショッピングと変わりません。高額になりがちな広告費や車、税金の支払いなど、カード決済するだけでどんどんポイントが貯まります。また、ラグジュアリーカードは、マイル移行に上限がなく、交換手数料も無料です。JAL・ANAのどちらにもマイル移行ができ、ハワイアン航空・ユナイテッド航空のマイルにも交換可能です。
充実した付帯サービス
法人カードは、個人カードに比べて、ビジネスに特化した付帯サービスや保険が充実しているのが特徴です。カードによって付帯サービスの充実度は異なるため、自社に合った1枚を選びましょう。
ラグジュアリーカードの場合は、例えば以下のようなサービスが付いています。
- 365日24時間サポートしてくれるコンシェルジュ
- ラグジュアリーダイニング
- ラグジュアリーリムジン
- 国内外の空港ラウンジを無料で利用可能
ラグジュアリーカードのコンシェルジュは、まるで自分専属の秘書のように利用できる便利なサービスで、その品質にも定評があります。24時間365日対応で、電話をかけると自動音声なしでダイレクトにつながります。メールでの問い合わせも可能なので、電話ができない環境でも隙間時間を有効活用して、コンシェルジュに依頼できます。あらゆるシーンでタイムリーに利用できるライブチャット機能*も大変便利です。出張先のホテルやラウンジの予約や取引先の人と食事をするレストランのチョイスなど気軽に頼めるのが嬉しいポイントです。
*ライブチャット機能はBlack Diamond / Gold Card / Black Card 会員様限定のサービスです。
そのほか、ラグジュアリーコンシェルジュ経由で、対象レストランの指定コース料理を予約すると、レストランと指定の場所との間を片道送迎してくれるラグジュアリーリムジンや、全国約200の対象店舗で所定のコースを2名以上でご予約した場合、1名分が無料になるラグジュアリーダイニング、国内外の空港ラウンジを無料で利用できるサービスなど、多くの特典があります。出張や接待、会食など、あらゆるビジネスシーンで幅広く活用できるでしょう。
法人カードのデメリット
法人カードにはさまざまなメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。デメリットも確認したうえで、導入を検討しましょう。
- 社員の不正使用の恐れ
- 分割払いやリボ払いを利用できない場合も
社員の不正利用の恐れ
追加カードを従業員に使用させる場合、不正利用されるリスクがあります。立替での精算に比べると利用のハードルが下がるため、経費以外の物品購入や私的利用などの可能性も考えられ、カードをしっかりと管理する必要があり、手間に感じるかもしれません。
ただし、カードの明細書を見れば「どの社員が・いつ・どこで・いくら使ったのか」を確認できるので、不正利用をウォッチすることは可能です。法人カードの不正利用を防ぐために、「使用目的・内容を明確にする」「必要な人にだけカードを発行する」などの社内ルールを設けましょう。そのうえで、利用明細を必ず毎月チェックすることが重要です。
分割払いやリボ払いを利用できない場合も
法人カードは分割払いやリボ払いに対応していないことが多く、一括での支払いが原則です。引き落とし日にはまとまった金額が必要になり、利用額が多すぎると支払えなくなる可能性があるので注意が必要です。また、キャッシング機能も付いていないものが多く、資金調達には利用できません。しかし、一括払いであっても支払いまで1ヶ月程度の猶予が生まれるので、現金で支払うよりも資金繰りははるかに楽です。
まとめ
法人カードを導入することで、年会費を経費として計上できる、経費精算が楽になる、ポイントやマイルが貯まり経費削減になる、ビジネスに役立つ付帯サービスを利用できるなどのメリットがあります。年会費は全額経費計上が可能なので、年会費の低さではなく、ニーズに合ったカードを選ぶことをおすすめします。